Sgt. Pepper Inner Groove

書くたびにすべて出し切ろうとするからなかなか更新出来てないんだ。もっとサクサクやっていこうかな、ブログ


どうも。今日はビートルズの話題。


The Beatles"Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band"(1967)

ビートルズの8枚目のアルバム1967年『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (サージェント・ペバーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド)
13枚のオリジナルアルバムの中でこれを最高傑作に挙げる方も多いですね。
ロックからインド音楽で表現するのはジャケット通りカラフルでサイケ…ヒッピー文化やドラッグ文化も上手く象徴する作品だと思います。
コンセプト・アルバムの元祖とも言われ、前作『Revolver (リボルバー)』に続きレコーディングでのテクニックもまたまた新しいことをやってのけています。これが4〜7トラックで録られていたのかよ…

"パイプオルガンの録音が出来なかったから、既存のパイプオルガンのテープをバラバラに刻んで宙に投げ!1本に繋ぎ直し再生しちゃう" など色々な試みがある中、興味深いのが
Sgt. Pepper Inner Groove (サージェント・ペパー・インナー・グルーヴ)
これは「ビートルマニアが知ってるレコーディングの逸話」と言うよりも、「アルバムを聴く人なら誰でも聴く(聴きすぎる)もの」で

何かと言うと、よく言われるのが人には聞こえない犬笛ほどの高周波音と意味不明なおしゃべり……
こういう表現がよくされます(笑)ほんとに。決まり文句みたいなものです。
 「意味不明なおしゃべり」っていう言葉が意味不明!笑 よくわかんない!



具体的に言うと
レコードの最後(ランアウト・グルーヴ)に収録されている、プレイヤーの針を上げないと止まらず延々と流れる………あー、おしゃべり…
おしゃべりっていう言葉合わないって思ってたけど、いざ言い表そうとすると難しいな。英語ではよくchatterとされます

アルバムB面最後の曲A Day In The Lifeの一部なのですが、曲名がある理由を含め簡単に紹介。


1967年6月1日、イギリスで『サージェント・ペパー』発売。ランアウト・グルーヴにこの高周波とループ「サージェント・ペパー・インナー・グルーヴ」が収録される(ちなみに録音時の仮タイトルは「Edit for Lp End」)
アメリカでもようやく曲順同じで『サージェント・ペパー』発売。これまでアメリカでは編集盤か、名前やジャケットがほぼ同じでも収録曲が全然違っていました)。しかし「サージェント・ペパー・インナー・グルーヴ」は収録されず
日本でも発売。「サージェント・ペパー・インナー・グルーヴ」はランアウト・グルーヴではなく本溝に収録され、ループはなし
1980年、アメリカ内で未発表だった音源集『Rearities (レアリティーズ Vol.2)』がアメリカでリリース。この時「Sgt. Pepper Inner Groove」という曲名が与えられる
1987年、ビートルズの全カタログがCD化スタート、発売。アルバム『サージェント・ペパー』は同名曲"It was twenty-years ago today"の歌詞に準えて20年後の6月1日にリリース。「サージェント・ペパー・インナー・グルーヴ」はループ後フェイド・アウトして終わる
2012年、2009年リマスター(44.1kHz/24bit='09USBと同じ)を元にステレオのアナログLPレコード発売。(未確認)
2014年、オリジナルマスターテープを元にモノラルのアナログLPレコード発売。「サージェント・ペパー・インナー・グルーヴ」もきちんと収録。




さて……僕にはまだ謎があって
①おしゃべり前の高周波とは何kHzなのか?
②LPとCDでは違うのか?


というのも
「人間には聞こえないほどの高周波」
「可聴域を超えた高周波だったため、CDでは周波数を落としたものが入っている」
などと言われていてどれが正解なのか!と

まず
  • 人間の可聴域は20〜22kHz(年齢などに依って個人差が大きい。16kHz以上は自分も自信がない。注意していなかったり小さい音だったりまず無理)
  • CDに収録可能な周波数の限界は22.05kHzまで
これが前提。

さてどうなるか



PMC 7027(モノラルLP)


TOCP-71048(モノラルCD)

UICY-76973(ステレオCD)
アナログは綺麗に出ませんでしたが、全部がっつり14.5kHzでしたー
なんだー





さてさて
Sgt. Pepper Inner Groove 15kHz」で検索をかけたらこんなのが出てきました


On LP this 15 KHz tone is not a recording at all, but was cut mechanically into the master disk after A Day in the Life. [...] For CD it was created electronically in 1987 and put into the master digital tape used for CD production.

なんと…
先ほどの周波数レヴェルの画像、アナログの再生環境に自信がなかったので波形にノイズが乗って「CDと形が違う」と思ってたら 元が別ものであったのですねー!


しかもこのサイトを見ると
1967年4月21日に「Edit For LP End」としておしゃべりを録音し
その後別日に(このサイトではdog cutとされている)15kHz音をLPのマスターディスクにカッティングした
とあります。

全く別の作業でありますな
あ、ちなみにこのサイト、サージェントの型番間違ってます。


俺は平成生まれ丸出しのオート式のレコードプレイヤーを使ってるのですが、そのお陰ではっきり分かったことも…
フェイドアウトするCDしか手元に持っていなかったため、ループを聴いてみたいtのもあって『サージェント』のUKオリジナル盤を買いました。
でもノイズのあとにループは再生されず…!!

つまりですね、dog cutはランアウトグルーヴ(またはランオフグルーヴ)には入ってないんですよ。
CD音源を聴いて育ったからこれは知りませんでした。



インナーグルーヴ≠ランアウトグルーヴ…

インナーグルーヴディストーションという語が存在するようにインナーグルーヴとは、通常掘られている本溝のことで、この場合のループが収録されている部分ではありません。 

(しかし、innerって言葉だけならランアウトグルーヴの部分も内側であるので正しいのかも)

正確に言うと「Sgt. Pepper Inner Groove」は14.5kHzの「Dog Cut」と笑い声(Edit For LP End」)、そしてランアウトグルーヴに収録されたおふざけ(Edit For LP End」)のループというわけですな。
自分でも整理できました。またひとつ勉強になった。