スタジオライヴ映像ドロップ③「渚にて」〜非公開カット?

「渚にて」作詞作曲:渡部亮

ライヴで一番人気のある曲。4人とも歌うし、そもそもドラムヴォーカルだし、印象に残ってくれるのかな(詳しくは後述)




・サウンドについて

 

海っぽい意欲作 ってことで夏前に出来た曲です。まことさん曰く「西海岸系ドリームポップシューゲ」・・・まぁレイドバックな雰囲気はあるよね。後半まことさんが歌ってギターとベースだけになるところがありますが、あそこ気分はミツメ
この曲をやり始めた辺りから俺とギターのあさみはんの足元は増えていき、ステージには全員合わせて18個くらいのペダルが並ぶようになりました
俺はアン直派だったけど、この曲をきっかけにエフェクターもいいな と思えたかもしれない



・補完し合う2つのメロディー。1つは「普遍的なメロディー」?

 

この曲は印象に残ってくれる って話、まず主要メロディーは大きく女声と男声とで2つのみ

その2つは最後に同時に歌われて、男声の方を対旋律(オブリガート)とすると、その対旋律は女声の主旋律の特徴と比べ正反対のことをしてるんですなぁ

  • 女声前半の"渚にレッツゴー"だけで3音。女声パート全体でも出てくるのは5音でニロ抜き
  • 抜かれたニロ(この曲はFなのでソとミ)は男声パートで執拗に出てきます
2つ合わせてドレミファソラシドを補完してる関係なのですね
同時に歌われてもまぁ特段音楽的な効果はないのですが、二つの旋律のキャラクターが違うということは確かです。これは音価から見てもそうだと思います。


『SEXCITE!』名盤

最初のメロから頭に残るメロディーだと思うんですが、これ俺のヴォキャブラリーからすると
  • BEAT CRUSADERSの『SEXCITE!』ってアルバム(名盤!)に入ってる「SAD SONG」って曲の”I don’t sing this sad song”と同じメロディー。
  • 相対性理論『TOWN AGE』の1曲目「上海an」のイントロのリコーダーと同じメロディー。




しかしこれ、欧米の囃し節(?)童歌(?)に似てるんですよね。
"Nyah↑ nyah↓ nyah↑ nyahh→ nyah↓"ってやつとか、"You↑ are↓ an↑ idi-→ot↓"ってやつ。分かるかな?
Nn-na-na boo-boo"ってのしか見つからなかった

①昔のブラクラ「You're An Idiot」



②子供のNa-na-na-boo-boo You can't catch me 

(二回目以降にやるのが「渚にて」のメロディーと一緒)



日本でいう「いー→け→ないん↓だー↑ いけ↓ないん↓だー↑」が一番近いかな。
「鬼さんこちら 手の鳴る方へ」「お前の母ちゃんでべそ」やら「アホが見るブタのケツ」やら、語呂が良いのかどうか分からんけど根付いてるこういう節ってあるじゃないすか。

あと使う音が少なければ少ないほど童節(?)っぽくなるんですよ
「○○ちゃーん!あーそびーましょ!」とか。


※4/18追記
幼少期のマイケル・ジャクソンが所属していたThe Jackson 5の代表曲の一つ「ABC」の中で
 "How to get an "A" (Na na na na nah)"
っての掛け合いが出て来るんだけど、このメロディーがまんまこの曲「渚にて」。
どこか普遍的なのだなぁ。
主旋律をユニゾンでなぞることはあれど、掛け合いはここだけだったはず。

・その他

他に色々。


まずライヴ映像があがってますね、これ
初演。2015年6月2日下北沢THREEでの演奏です。今回のスタジオ・ライヴを撮ってくれた人と同じゆるこさんが撮ってくれています。

0:58〜棹物前3人の脚の動きがなかなかシンクロしてていいですね。
1:10あたりとか。頭のコード弾くとき!

今と比べると気持ち速めに演奏しています。
あさみはんもコードを弾いてるだけで、ストロークを変えてるのみですね。今回の映像みたいにエグい音出してない笑
この日は俺の機材に少しだけトラブルがあって、音量バランスが少しよろしくないけど
半袖で演奏してるのでいい感じ☆


この曲、レイドバックな雰囲気がある曲のクセに、構成的なメリハリはあると思います。
クライマックスは俺のインプロギター!!!なのですが、最近になってあさみはんもエグいエフェクト裁きをするようになりました。


自分のギターの話していい?普段あまり楽器のこと話さないから許して

このテイクだと、最初に出てくるのが「連続プリングしながら、右小指側面で弦を擦っていくやつ」ね。通称「キラキラ」(と呼んでる)。クリーントーンだし、シングルコイルだと多分分かりにくいんだけど、無段階な効果音が鳴ってくれます。ライヴでは分かりづらいのでやらないことが多い、かな、知らん、インプロ。

クロマチック・ランはジョークやパロディーのようなノリで弾いてます。海の雰囲気の押し付け!


浮かれていこう”に呼応するフレーズ。おいしいとこ
1弦をゆっくりトリル(難しい)して2弦に移るのですがここは漢のノーピッキング。ハンマリングだけで音を出すのが漢。

フレーズの終わりに7thの音をタッピング。そのあと右手をプリングするという、ライトハンド奏法が出てきます。指の間隔も狭いし完全専門外なので(笑)リズム合わせるのクソ難しいです。

一応はダイナミクス的に繊細な曲なので、どちらの音もピッキングの音を付けたくない ってことでこうしてます。メンバー知ってた?褒めて


曲の最後のインプロは、このテイクだとシールドを抜いたり、マイクスタンドに擦り付けたりしてますね。しっかし映像で見ると気持ち悪いな

あさみはんはイントロⅠ-ⅠM7-Ⅳ-Ⅳのはずですが、最後SDなぜかⅣmにしてる
「え、これでいいの?」と俺は作曲者のまことさんを苦笑いしながら見てます。




仮タイトルは「summer tune」だった ってことは言っていいよね?!
だから歌詞にはエクスクラメーションマークが付いているのです。(俺のわがままで付けさせてもらった)“渚にレッツゴー!”


「渚」ってよく使われますよね。俺のiTunesの中だけでも
80年代だとアイドル曲だとピンク・レディー「渚のシンドバッド」や松田聖子「渚のバルコニー
90年代だとPUFFY「渚にまつわるエトセトラ(「"渚へ 行こう"="渚にレッツゴー!"」?!)
10年代ではAlfred Beach SandalNever Young Beachなどバンド名にまで。(界隈のYogee New Wavesのwaveも音楽なのにジャンルのnew waveの意味ではなく、海の波を連想してしまいます)

俺は邪道なのですがナンバーガールの「渚にて」が思いつきますね。「渚にて」という同名曲は多く、まぁ有名な物語があるんですね

まことさんが歌ってる歌詞はYouTubeに載せるときに初めて教えてもらいました。"嗚呼 揺れる スローダウン"だと思ってたら"嗚呼 夕立 染まる"でした


ミックスについては〜
ドラムヴォーカルなのでハイハットを筆頭に色んな音がいそしまの声に被る被る。指向性が狭いものもスタジオになかったのです。
しかしそこはスタジオライヴ。しょうがないので大胆にミックスしました。
他も恐れずクリエイティヴにミックスしてしまいまして、ヘッドフォンで聴くとかなり色々いじってるのが分かると思います。



映像はこれまでと同じように編集したのですが、亮さんの却下を経て今の手持ちカメラ一台を中心にした形に。
ってことでディレクターズ・カット版を上げておきます。内緒ね