URUTICA「不思議なドライブ」

TはTWIMY「Past Times Inside」で…!笑

これまたツイッターで前からフォローさせていただいている方、ウルチカさんの作品


ビートルズ直系の宅録。『フシギドライブ』から。音から多分GarageBandかLogicを使われているのではないかと思います。
コード進行やメロディーのセンスが本当にツボです。

この曲は逆再生と気持ちいいタイム感でハネたギターから始まって、小気味のいいフィルからいっきにサウンドが明るく拓けます。
しかしバンドインで開けた後の全体はマイナー。このマイナーの違和感がその次の面白い音使いのメロディーに繋がります。
そして実はあなたの気付いてないうちに転調してますよ。これは本当にすごい!!!!!
かなり簡素化して説明すると、Aメロはマイナーペンタのロックなメロディー。この時のキーを長調にとってⅠ(A)とすると、Bメロは平行調のコードⅥm(F♯m)へ。
しかし後に出てくる2回目のBメロはⅥmではなく元のキーの同主調のⅠm(Am)に!!そのままサビに向かって平行調のメジャーになっていくのでキーは元のキーから見ると短3度上(C)へ

Ⅰ→Ⅵm(直前の平行調)→Ⅰ (直前の平行調=元通り)だったのが
Ⅰ→Ⅰm(直前の同主調)Ⅲ♭(直前の平行調=元のキーより3半音上)になっているのです。 恐ろしい。素晴らしい!!!


フシギドライブ』は全曲フリーダウンロード出来るのでみなさんマジでダウンロードした方がいいです。歌詞には猫も出てきて微笑ましいです。


M-2「ボーダーサイクルダイアリーズ」もギターとベースとドラムのみで、棹物は結構サイケに徹してますがサウンド全体は聴く人選ばない感じになってるような。クセの強いオルガンとかがないからだろうか。盛り上がりに欠けるメロディーラインも説得力あってグッド。暑過ぎないのにサビはなぜかこうシンガロングしたくなるアンセム要素がある気がします…。
M-3「濁流」も超名曲!!!
M-4「駆ける星空」はツーコードでトニックとサブドミナントマイナーの世界観。イントロから切ない。2010年の「ずっと前」。この美しいメロディーはサビが始まったあとには出てこなくなり、次出てくるのは一番最後。2小節分のみ。歌詞で言うと1行分。潔い。
明らさまなパロディーも大好物なのでM-5「やわらかい足音」なんかもニヤニヤ。最後に明らさまな引用があってそこで答え合わせが出来るのですが(カヴァーもしている「Mother Nature's Son」)、それまでは音楽的な響きだけでパロディーを匂わせられていて羨ましいところ。
M-6「アマモリとスキマカゼ」は"サヨナラさ"から始まるミニアルバムのお別れソング。いや、「フシギドライブ」という旅の終わりの歌なのか。