―――彼らの辞書に「録音」「音源」があってよかった。これからは聴きたいときに聴くことができる。
…と、したり顔でこう言っていたいのだけど、MIZOU ZOUに関しては、誰かに「いや。あいつら辞書なんか持ってないだろ」と反論されてしまう可能性を持つ。そんなバンドだ。
彼/女らに対して何かを語ること自体が無駄なのだ。
しかし今日は敢えて踏み込んで、爆死してみようと思う。
あなたなら彼らをどう言い表すだろうか。「新ジャンル」なんて言葉で逃げないで欲しい。
意図的なのか恣意的なのか、よく分からないノー・ウェーヴ・男女スリー・ピース・ロック・バンド???
よく分からないのでどんな奴らなのかを書いていこうかな…。疲れてきた。
彼らはストイックな演奏のための練習や技術には興味がないらしい。
技術自体に興味がないわけではないのだろうが、技術の向上とかには興味がない。
「別にあるものだけでいいや。」というスタンス…仮にこれを「現代的」としよう。
歌詞だけが「現代的」でも嘘くさい。演奏での示した方もそれくらいであって初めて信頼できる。
MIZOU ZOUはベース・ヴォーカルの完全なるスリーピース。三位一体となって全員が現代的な「無頓着な姿勢」を体現している。(これまた変な言い回しだが「曲の世界観を体現」と書こうとしたがメンバーに「曲を作るときにテーマとかはあっても、世界観とかそんな大層なものはないです」と笑われそうなのでこう言わせて欲しい)
今回のレコーディングも多分「そろそろ一回バンドっぽいことでもしてみるか〜」みたいな感じで話が来たのだと信じている。
曲中三人とも歌う(喋る?)のも魅力である。
テクいベーシストでありバンドのブレインである遠藤。
紅一点ということで、見た目は華でも、頭の奥の方は二人に負けず劣らずぶっ飛んでいる、バンド名の生みの親でもあるらしいたまちゃん。「象の鼻は顔から生えてる何か」らしい。
そして伊吹はナゴムキッズのドラマー。風呂桶をドラムセットに組み込んでいる(タムホルダーに付けられるように自作した)。バンドメンバーを集めた首謀者(?)。
三人の音楽的な共通点は、中高生の時に聴いていたマキシマム ザ ホルモンとYUIとからしく本当〜にごく普通。でもなんでこんな曲出来上がるんだ?
“人によって「あの曲が好き」「この曲が好き」が分かれすぎるバンド”とはベースの遠藤の弁。
“この先全員を満足させられるようなベスト盤なんて作れないから、多分どの音源もベター盤なんすよ”とはドラムの伊吹の弁。
今回の5曲であなたはどれが好きだろうか?全部好き?あんま好きじゃない?
しごく当前のことであるが「好きな人は好き。嫌いな人は嫌い。」・・・森羅万象に当てはまるこの言葉が、他よりももっと、こう、しっくりくる…バンドである……?
MIZOU ZOU初音源『未曾有かうんせりんぐ』(¥100-)
発売:2017年03月21日
録音:2016年12月27日
意味を見出せる人は見出せるだろうし、彼ら自身はどこまで意図してるのか分からない。彼ら自身も分からないんだし。
ただどんな形であれ聴いた人はみんな何か感想を持つはずだ。笑う人もいるし深読みする人もいる。
音楽が溢れすぎたせいか世間に「なんとも思わない音楽」が増えてる中これはすごいことだ。
ちなみに「100円」ってのは音楽に対してではなく材料費らしいです。ジャケとかCDとか。
1. 女子トーク
結成当初からある曲。シンプルにMIZOU ZOUがどういったバンドであるかが分かる一曲になった。
なによりこの曲は伊吹の叩く風呂桶のタイミングが絶妙だ。是非これはライヴで観て欲しい。コミックバンド的なツッコミのような一打。仕切り直してくれる。
魅力は一打のタイミングだけではない。一打だけ音を鳴らしてもテンポは生まれないのに、3人の演奏がリスタートする。センスがすごいが、多分頭が揃わなくても、テンポが揺れたり変わったりしても、別に気にしないだけなのであろう…。常識がことごとく覆されていく。
ライヴでは暗くなるところで「かわいい」「マジないわ」と喋り口調で合いの手が入るが、それを入れるのは男の伊吹。
女子側の言葉なのにたまちゃんにやらせていない、なぜか。これはつまり男子が思い描く女子の一面のみを描いているという宣言であると同時n……いや、多分、意味を見出そうとしても「ここギターちょっと難しかったんで、前向いて喋りながらは無理だったんですよ」とか言いそう!
「山」は「ある」ではなく「登る」なのだ。そんなたまちゃんをすんなり受け入れる遠藤。"誰かが言ったことは否定しない"…そんな彼らのスタジオワークでの雰囲気が垣間見えるではないか。これがバンドの掟らしい。
後半は別のテイクを使ったが、前半のリズムトラックはぶっつけ本番のテイク1だ。
2. 勢い大事
曰く「一番分かりやすく作った曲」。知り合い以外に初めて観せるライヴのために作曲。
最後の最後にリフを1回だけ持ってくるエンディングは綺麗だ。
歌詞には根底にあるあのバンドのオマージュもある。
そして今の所唯一ライヴでも同じ歌詞が聴ける曲なのではないか。他の曲は意味内容は一緒でも、"言い方"が違うことが多い。
録音について。演奏の内容から判断したのもそうだが、「勢い大事」ってタイトルでもあるので、演奏はギターも含めて一発録りした。
3. ドッジボール
俺も"そっち側"だった。単に球技が下手だったからパス回して貰えなかったんだけど、チャンス(パス)を与えて貰わないから更に上手くならない…という悪循環に陥る。同級生が同級生(私たち)の「上達の道」を塞いでいるのだ。クソ。
なのに片付けは最後にボール触ったやつかよ。クソ!
たまちゃんの半アドリブプレイにも注目して欲しい。でもあまり注目すると恥ずかしがりそうだからほどほどに。
歌詞(?)はほぼ"パス"の2文字だけで構成されてる。しかしそのままだと意味が分からないので、ライヴでもMCで触れる「設定のナレーション」を加えた(ライヴではア・カペラ部分もある)。
そしてアキラは実在するらしい。
ちなみに俺が勝手に入れた最初の体育館のSEはよくよく聴くとドッジボールっぽくない。メンバーにこのことを告白したら「それもまた一興。」とのこと。そう言うと信じてたよ…。
「ふるさと」は著作権とっくに切れてるのでご心配なく。自分でも調べたのだが、遠藤もちゃんと調べていた。そういうところはこだわるんだ…?
最初のヴォーカルを録ったあと、ダブルトラッキングのために遠藤が1回目を聴きながら書き起こしたのがこれ(画像参照)。音程やリズムを書いていないことが分かるだろうか。これを見ながら1, 2テイクでオーヴァーダビングを終わらせた。
4. 最先端の音楽
最新曲。個人的リードトラック。
イントロの超印象的なスキッピングリフは、たまちゃんが適当に弾いてできたものらしい。インパクトは強いが、運指的には規則性があり弾きにくくない、なんともコストパフォーマンスの高いフレーズだろうか。
Aメロ(?)のベースの明るいハーモニーと、ギターのリズムのみがスウィングしてるのが私のツボだ。
…と、したり顔でこう言っていたいのだけど、MIZOU ZOUに関しては、誰かに「いや。あいつら辞書なんか持ってないだろ」と反論されてしまう可能性を持つ。そんなバンドだ。
彼/女らに対して何かを語ること自体が無駄なのだ。
しかし今日は敢えて踏み込んで、爆死してみようと思う。
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あなたなら彼らをどう言い表すだろうか。「新ジャンル」なんて言葉で逃げないで欲しい。
意図的なのか恣意的なのか、よく分からないノー・ウェーヴ・男女スリー・ピース・ロック・バンド???
よく分からないのでどんな奴らなのかを書いていこうかな…。疲れてきた。
彼らはストイックな演奏のための練習や技術には興味がないらしい。
技術自体に興味がないわけではないのだろうが、技術の向上とかには興味がない。
「別にあるものだけでいいや。」というスタンス…仮にこれを「現代的」としよう。
歌詞だけが「現代的」でも嘘くさい。演奏での示した方もそれくらいであって初めて信頼できる。
MIZOU ZOUはベース・ヴォーカルの完全なるスリーピース。三位一体となって全員が現代的な「無頓着な姿勢」を体現している。(これまた変な言い回しだが「曲の世界観を体現」と書こうとしたがメンバーに「曲を作るときにテーマとかはあっても、世界観とかそんな大層なものはないです」と笑われそうなのでこう言わせて欲しい)
今回のレコーディングも多分「そろそろ一回バンドっぽいことでもしてみるか〜」みたいな感じで話が来たのだと信じている。
曲中三人とも歌う(喋る?)のも魅力である。
テクいベーシストでありバンドのブレインである遠藤。
紅一点ということで、見た目は華でも、頭の奥の方は二人に負けず劣らずぶっ飛んでいる、バンド名の生みの親でもあるらしいたまちゃん。「象の鼻は顔から生えてる何か」らしい。
そして伊吹はナゴムキッズのドラマー。風呂桶をドラムセットに組み込んでいる(タムホルダーに付けられるように自作した)。バンドメンバーを集めた首謀者(?)。
三人の音楽的な共通点は、中高生の時に聴いていたマキシマム ザ ホルモンとYUIとからしく本当〜にごく普通。でもなんでこんな曲出来上がるんだ?
“人によって「あの曲が好き」「この曲が好き」が分かれすぎるバンド”とはベースの遠藤の弁。
“この先全員を満足させられるようなベスト盤なんて作れないから、多分どの音源もベター盤なんすよ”とはドラムの伊吹の弁。
今回の5曲であなたはどれが好きだろうか?全部好き?あんま好きじゃない?
しごく当前のことであるが「好きな人は好き。嫌いな人は嫌い。」・・・森羅万象に当てはまるこの言葉が、他よりももっと、こう、しっくりくる…バンドである……?
MIZOU ZOU初音源『未曾有かうんせりんぐ』(¥100-)
- 女子トーク
- 勢い大事
- ドッジボール
- 最先端の音楽
- 光化学スモッグ注意報
発売:2017年03月21日
録音:2016年12月27日
意味を見出せる人は見出せるだろうし、彼ら自身はどこまで意図してるのか分からない。彼ら自身も分からないんだし。
ただどんな形であれ聴いた人はみんな何か感想を持つはずだ。笑う人もいるし深読みする人もいる。
音楽が溢れすぎたせいか世間に「なんとも思わない音楽」が増えてる中これはすごいことだ。
ちなみに「100円」ってのは音楽に対してではなく材料費らしいです。ジャケとかCDとか。
1. 女子トーク
結成当初からある曲。シンプルにMIZOU ZOUがどういったバンドであるかが分かる一曲になった。
なによりこの曲は伊吹の叩く風呂桶のタイミングが絶妙だ。是非これはライヴで観て欲しい。コミックバンド的なツッコミのような一打。仕切り直してくれる。
魅力は一打のタイミングだけではない。一打だけ音を鳴らしてもテンポは生まれないのに、3人の演奏がリスタートする。センスがすごいが、多分頭が揃わなくても、テンポが揺れたり変わったりしても、別に気にしないだけなのであろう…。常識がことごとく覆されていく。
ライヴでは暗くなるところで「かわいい」「マジないわ」と喋り口調で合いの手が入るが、それを入れるのは男の伊吹。
女子側の言葉なのにたまちゃんにやらせていない、なぜか。これはつまり男子が思い描く女子の一面のみを描いているという宣言であると同時n……いや、多分、意味を見出そうとしても「ここギターちょっと難しかったんで、前向いて喋りながらは無理だったんですよ」とか言いそう!
「山」は「ある」ではなく「登る」なのだ。そんなたまちゃんをすんなり受け入れる遠藤。"誰かが言ったことは否定しない"…そんな彼らのスタジオワークでの雰囲気が垣間見えるではないか。これがバンドの掟らしい。
後半は別のテイクを使ったが、前半のリズムトラックはぶっつけ本番のテイク1だ。
2. 勢い大事
曰く「一番分かりやすく作った曲」。知り合い以外に初めて観せるライヴのために作曲。
最後の最後にリフを1回だけ持ってくるエンディングは綺麗だ。
歌詞には根底にあるあのバンドのオマージュもある。
そして今の所唯一ライヴでも同じ歌詞が聴ける曲なのではないか。他の曲は意味内容は一緒でも、"言い方"が違うことが多い。
録音について。演奏の内容から判断したのもそうだが、「勢い大事」ってタイトルでもあるので、演奏はギターも含めて一発録りした。
3. ドッジボール
俺も"そっち側"だった。単に球技が下手だったからパス回して貰えなかったんだけど、チャンス(パス)を与えて貰わないから更に上手くならない…という悪循環に陥る。同級生が同級生(私たち)の「上達の道」を塞いでいるのだ。クソ。
なのに片付けは最後にボール触ったやつかよ。クソ!
たまちゃんの半アドリブプレイにも注目して欲しい。でもあまり注目すると恥ずかしがりそうだからほどほどに。
歌詞(?)はほぼ"パス"の2文字だけで構成されてる。しかしそのままだと意味が分からないので、ライヴでもMCで触れる「設定のナレーション」を加えた(ライヴではア・カペラ部分もある)。
そしてアキラは実在するらしい。
「5時」をお知らせする遠藤。その「5時」をもったいぶりながら「4時の1時間後」「6時の1時間前」と説明していくが、これだと時間が経っても「5時」ということに対する情報量は増加しないままである。「情報量ゼロのまま進行する」というのはこの曲自体もそうである。「設定のナレーション」とした説明以降、ほぼほぼ「パス」のみで時は進む。得られるものは非言語表現である感情の増幅であり、言語情報が最低限であるためそれは浮き彫りになるかもしれない。しかしたまちゃんの"パスだってー!"の声にはなんとも「やらされてる感」があって、バンドとしてはそんなに「エモ」を押し出す総意はないらしい…。
ちなみに俺が勝手に入れた最初の体育館のSEはよくよく聴くとドッジボールっぽくない。メンバーにこのことを告白したら「それもまた一興。」とのこと。そう言うと信じてたよ…。
「ふるさと」は著作権とっくに切れてるのでご心配なく。自分でも調べたのだが、遠藤もちゃんと調べていた。そういうところはこだわるんだ…?
最初のヴォーカルを録ったあと、ダブルトラッキングのために遠藤が1回目を聴きながら書き起こしたのがこれ(画像参照)。音程やリズムを書いていないことが分かるだろうか。これを見ながら1, 2テイクでオーヴァーダビングを終わらせた。
4. 最先端の音楽
最新曲。個人的リードトラック。
イントロの超印象的なスキッピングリフは、たまちゃんが適当に弾いてできたものらしい。インパクトは強いが、運指的には規則性があり弾きにくくない、なんともコストパフォーマンスの高いフレーズだろうか。
Aメロ(?)のベースの明るいハーモニーと、ギターのリズムのみがスウィングしてるのが私のツボだ。
サビのハイハットオープンは漢気の完全16分。なんならスネアが入ってるのに(1拍に)ハイハット4回鳴らしてんじゃないの?!とすら思わせる。
主旋律の上がりきらない感じの歌が気だるくていい。例えばフジファブリックみたいだ
"最先端の音楽について考える時間"でのリフは、実はイントロのリフの変奏だ。気付くだろうか
「シンキングタイム」前のセリフが入ることは遠藤の独断らしくレコーディングで他の二人は驚いていた。全然打ち合わせしてない。でもそのアイディアを採用していくバンド…。
テイク1では"板書"を"いたしょ"と読み、遠藤はそのまま行こうとしたが二人に止められていた。そんな感じで、音楽的なとこ以外(歌詞や言葉)については、提案に対する「意見」が見られた。逆に言えば音楽的なところでの議論とかは皆無だった…(なんなら「ハモりこれで合ってますか?てか作ってください」と言われ俺が考えた)。やりやすいのかやりにくいのか…。
5. 光化学スモッグ注意報
タムワークが面白い。一筋縄ではない。
しかしなぜ注意報が出ているのに、注意報に注意しなければならないのか。謎だ。これも「女子トーク」同様初ライヴから存在する曲だが、その時からこの矛盾は変わってない。
レコーディング時に付け加えられた明らかなるギターフレーズの引用もある。
冒頭のアナウンスのエフェクトはレコーディングの時に「こんな感じ」と即興でかけたセッティングに限りなく近い形で通した。
まるで創作物の設定に乗っかる「ごっこ遊び」かのようにサムいことを言ってきたが、彼らは設定があって動いてるのではなく、ただ自然に雰囲気で進んでいる。そこだけは言わせて欲しい。
全て大学の練習室で8〜9時間くらいで録音。
一発録りの「勢い大事」以外は、ベースとドラムでリズムトラックを録り、ギターを重ねた。そのためサビなどで左右からギターが聴こえる曲も多い。
ミックスについてはノイズ除去やタイミング修正は最小限にとどめた。特に遠藤の声のタイミングや、スローンの軋みなどはほとんどそのままにしてある。
どんなにミックスの過程を送っても「いいっすね」しか言わないので逆に困った。しかし楽しい作業だった。
曲によってサウンドがパッキパキだったり少し重かったりしているよ。
外部でのライヴ経験がないため、彼らがこれからどんな活動をしていくか分からない。ビークルよろしく「ここで解散した方が面白いんで」とかいう理由で変なタイミングで解散しそうだし、「解散っていうの忘れてた」とか言って我々が忘れた頃にアルバムを出すかもしれない。
てことであんま期待はせず次の動きを心待ちにしようと思う。
「シンキングタイム」前のセリフが入ることは遠藤の独断らしくレコーディングで他の二人は驚いていた。全然打ち合わせしてない。でもそのアイディアを採用していくバンド…。
テイク1では"板書"を"いたしょ"と読み、遠藤はそのまま行こうとしたが二人に止められていた。そんな感じで、音楽的なとこ以外(歌詞や言葉)については、提案に対する「意見」が見られた。逆に言えば音楽的なところでの議論とかは皆無だった…(なんなら「ハモりこれで合ってますか?てか作ってください」と言われ俺が考えた)。やりやすいのかやりにくいのか…。
5. 光化学スモッグ注意報
タムワークが面白い。一筋縄ではない。
しかしなぜ注意報が出ているのに、注意報に注意しなければならないのか。謎だ。これも「女子トーク」同様初ライヴから存在する曲だが、その時からこの矛盾は変わってない。
レコーディング時に付け加えられた明らかなるギターフレーズの引用もある。
冒頭のアナウンスのエフェクトはレコーディングの時に「こんな感じ」と即興でかけたセッティングに限りなく近い形で通した。
まるで創作物の設定に乗っかる「ごっこ遊び」かのようにサムいことを言ってきたが、彼らは設定があって動いてるのではなく、ただ自然に雰囲気で進んでいる。そこだけは言わせて欲しい。
全て大学の練習室で8〜9時間くらいで録音。
一発録りの「勢い大事」以外は、ベースとドラムでリズムトラックを録り、ギターを重ねた。そのためサビなどで左右からギターが聴こえる曲も多い。
ミックスについてはノイズ除去やタイミング修正は最小限にとどめた。特に遠藤の声のタイミングや、スローンの軋みなどはほとんどそのままにしてある。
どんなにミックスの過程を送っても「いいっすね」しか言わないので逆に困った。しかし楽しい作業だった。
曲によってサウンドがパッキパキだったり少し重かったりしているよ。
外部でのライヴ経験がないため、彼らがこれからどんな活動をしていくか分からない。ビークルよろしく「ここで解散した方が面白いんで」とかいう理由で変なタイミングで解散しそうだし、「解散っていうの忘れてた」とか言って我々が忘れた頃にアルバムを出すかもしれない。
てことであんま期待はせず次の動きを心待ちにしようと思う。