くるり『図鑑』(2000) |
大好きでずっと聴いているアルバムだと思っていたのだが、
中学生のときは良さがよく分からなかったみたいだ。(Twitterの過去ログでそう書いてた笑)
さてこの曲の味噌はイントロにある!(ちょうど1曲目も「イントロ」という名前だが。。)
不穏なM-1「イントロ」を経て、スネアが切り裂くM-2「マーチ」。
バンドインでスライドギターがなだれ込むのだが、、、。
2つ目のコードで何か「救い」のようなものを感じないだろうか?
コード進行を簡単に書くと
E → A6 → C♯m7 → B →
しかしどうも最初のEがEmと暗く聴こえてしまう。
補足説明
・Eをメジャーにする要素は♯G音
・Eをマイナーにする要素はG音
実はコード進行をテンションまで正確に書くと
E(omit3) → AM7add13 → C♯m7 → B(add11) →
冒頭のコードがomit3、つまりEでもEmでもない和音なのですね。
最初のE(omit3)を聴いただけでは、この曲のキーがEメジャーなのかEマイナーなのか分からず、
2コード目のAM7add13を聴いて初めてこの曲がEメジャーであることが分かるのですね。
で、なぜEmに聴こえるのかというと、多分
スライドギターが、1弦12フレットのEを弾く時に、
3弦の12フレットのG音が鳴っているんですね。
スネアのピッチか何かが関係していると思ってたんですけど
なんとか楽音で説明できるようでよかったです。
"AM7add13を聴いて初めてこの曲がEメジャーであることが分かるのですね。"
と書きましたが、
ここで単なるプレーンのA(A・♯C・E)が来るだけでも、キーがEメジャーであることが分かるのに
AM7(A・♯C・E・♯G)と、♯G音が入っているコードにしています!
そして前述のスライドギターも♯G音。
高く長い音なので、コードのトップノートとして十分に働いています。
「この曲はEメジャーですよ!」と言わんばかりの♯Gの嵐!
(歌が入ってもこのAM7のコードの部分は、♯G音だけしか歌っていません。)
気持ちいい。
メジャーとマイナーの行き来こそ、音楽の気持ちよさだと思っています。
さてこの曲のもう一つの面白いポイントと言えば、拍子が変わることとテンポが変わること。ドキドキする展開です。
6/8拍子で進んでいたのに、Bメロは2/2拍子になります。しかもめちゃくちゃテンポが落ちます。
せっかく「マーチ (行進曲)」という名前で2/2拍子になったのに、テンポダウン。全然行進できない
てことで、この「マーチ」、marchはmarchでも、3月を意味するMarchだと思うのですね。
"こんな気分は春一番に乗って消えてゆけばいいのに"
"コートを脱ぎなよ日の長さを喜びなよ"
あとこの曲のドラムは、3点とライドシンバルしか使っていないっていう話もTwitterで教えてもらいました!
クラッシュがない分、ドラムの重心が低め(重め)に聞こえますね。
だからこそオープンハイハットがいいアクセントになってる。
基本がライドで刻んでいることもあって、そう言えるでしょう。
そして最後の最後のアウトロでは、リズムをオープンハイハットで刻んでいますね。効く!!!
やっぱ『図鑑』めっちゃいいな〜
1・2枚目のオリジナルメンバーでの演奏が好きだなぁ〜
次の曲、3曲目「青い空 (Album Mix)」…
bloodthirsty butchersも4年前に「3月/march 青空」と言ってますので、
やはり「マーチ」もMarchに違いないんだ!!!!!!!!!